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神戸地方裁判所 昭和53年(む)10062号 決定

主文

本件準抗告を棄却する。

理由

一、本件準抗告申立の趣旨及び理由は、被告人は昭和五三年二月五日神戸簡易裁判所裁判官の発した勾留状により兵庫警察署付属代用監獄に勾留され、今日に至っているが、勾留の基礎となった事実については同月一八日神戸地方裁判所に起訴されたものであるから、もはや代用監獄である警察署付属留置場に留置すべきでない。よって、前記勾留の裁判中勾留場所を「兵庫警察署付属代用監獄」とする部分を取消し、同場所を「神戸拘置所」と定める決定を求めるというのである。

二、よって検討するに、本件申立は、右の昭和五三年二月五日になされた勾留の裁判について、右裁判後一三日を経た同月一八日に起訴されたことにより、被疑者を代用監獄に留置する必要性が消滅したという事由に基づき、勾留場所を代用監獄から拘置所へ変更することを求めているのであり、準抗告審の事後審としての性格に鑑みると、かように原裁判後相当期間経過後に新たに生じた事由に基いて原裁判に対し不服申立をすることはできないものと言わなければならない。

よって、刑事訴訟法四三二条、四二六条一項により本件準抗告を棄却することとし、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 梨岡輝彦 裁判官 小河巌 榎本巧)

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